月夜の訪問者
4沢山の訪問者
戻って来た雅は無口で、何を話したの?と聞いても
『世間話だ』
の一点張り
どうも怪しい

私に何を隠してるのかしら?





食欲の無い私の為にと、雅が持ってきてくれたお粥を食べながら、色々考えてみる。

私、やっぱり病気なのかしら…
なら入院させられるわよね。

不治の病とか?結核?
いや、咳は出ないし
普通、隔離されるわ…

じゃあ何?


あーもう!解らないもの考えたって仕方無いわ

病気は気からって言うじゃない!

コンコン

部屋のドアをノックされ、誰かが部屋に入って来る。

「友理さん、体調不良だとか
大丈夫ですか?大事な体ですのに…」

「お父様!」

心配そうな顔をしたお父様の姿
どうやら、私の様子を見に来てくれたらしい。

「ご心配かけて申し訳有りません。
直ぐに良くなると思いますので」

と、頭を下げる。

「そうですか、お大事にして下さいね」

不安そうな顔をしつつ「じゃあお休み」と、部屋を出て行くお父様

早く良くならなきゃ、お父様にまで心配かけて…

あっ、でもあと2日なのね…
お父様を、もっと傷つけてしまうんだわ
ごめんなさい…
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