たったひとつの愛と笑顔

恋の嵐

体育大会が終わったら、もちろん文化祭。


文化祭は、クラスごとで行われる、合唱コンクールがメイン。


学年ごとで、優秀賞が決められ、そのなかで最優秀賞が決められる。


「今日は、文化祭のスローガンを決める。みんなこの紙に書け。」


先生はそういうと、スローガンの紙をみんなに配る。


「何にしようかな。」


そう呟くと、隣の席の「健太」が、


「これでさ、スローガン選ばれたら、図書券が5000円分もらえるらしいぜ。」


と、言ってきた。


あっそ。と、受け流しながら、配られてきたスローガン用紙に名前を書く。


「笑えば青春、泣けば思い出」

にした。


正直、適当だ。


こんなもん、適当に書いて、適当に終わらしたらいいんだ。


投票で、見事、明日香のになった。


「明日香チャンのだったんだ。どうりでいいなぁっておもったんだよ。」


なんで明日香のに?


めっちゃくちゃ適当だったのに。


こうして、明日香のになった。


「いいなぁ。川上さん。図書券5000円だってよぉ。」


っといっている男子。


正直、うざい。


そこに、


「明日香。お前、スローガン選ばれたんだってなぁ。すげぇじゃん。お前、天才?」



「もぉぉ、翔太。そんな天才じゃないし。運がよかっただけだよ。」


と、翔太と言いあっていると、運悪く、ゆうがきた。


「明日香。お前、ちょっとこい。」


ゆうに呼び出された。


もしかして、別れ話??別にゆうと別れてもいいや。


「明日香。」


ゆうが真剣な顔で明日香を見る。


「何?」


やっぱり別れ話なのだろうか。


「なんで、直木先輩と呼び捨てしあってるんだよ。」
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