この手、あの手。


嬉しさのあまり私は涙目になった。

それでも、鶴賀君が『泣くな』って背中に書くから泣かなかった。


「以上。じゃあ各クラスに別れてチームを2つ作って下さい」

先生の合図で座っていたみんなはまた立ち上がる。

それぞれ担任のいる所に別れた。


「鶴賀君……」

「どうした?」

そう言いながら、鶴賀君はこっそり手を繋いでくれた。

鶴賀君の手は大きくて暖かくて、長い指をしていた。


好き。

鶴賀君の手も好き。


「武ちゃん」

小松さんと聖治が近づいてきて、鶴賀君の手はそっと離れた。


もっと繋ぎたかったな。


「バレーどうする? 出る? 全員が参加じゃないみたいだけど」

「麗南は出ちゃダメだぞ」

「分かってるよー」

小松さんは体が弱いから、激しい運動はあまりしちゃダメなのだ。

だから体育の授業はほとんど休んでいる。


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