帰る場所




「シュウさん、

安く泊まれる場所知りません?」




「あるよ」




「えっ!

本当にあるんですか?

それはどこに…、」




「俺の家」




ちょっと待て。




なんでいきなりそうなる?




「シュウさん…正気、ですか?

私…仮にも高校生ですよ?

カレカノならまだしも…私達

全然違うじゃないですか!」




「じゃあ、なんだっていうんだよ?」




「…ただの他人、ですよ。」




そう、




私達は『ただの他人』だ




あのアクシデントが無ければ




私は寝泊まりできる場所を




ずっと探していたかもしれない




横目でシュウさんを見ると
シュウさんも私を見ていた




「な・なんですか?」




「ハル、

俺、もうダメ…
















眠くて死にそう…」




今、この状況で?!




シュウさんって天然なの?


それとも計算?




―だって、だって…




「シュウさんの家に

行かなきゃならないじゃん」




右隣には大きなスーツケース
左隣には大きな大人




「この先が思いやられるな…」










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