気ままに生きる

コートの下はレオタードだった…鈴木いづみさんのこと

 最初に鈴木いづみ(作家、浅香なおみとしてピンク映画女優でデビュー、1970年『声のない日々』が「文學界」新人賞候補となり、作家活動を始める。アルト・サックス奏者の阿部薫と結婚するも5年後に阿部は急死。自身は86年に自殺した。ルイズルイス加部氏を題材に小説等を数作遺している)さんに会ったのは、前の奥さんから紹介したい子がいるけど、会ってくれるかって電話がかかってきてだったね。

 次の日にバス停(たぶん本牧あたり)で待ってるって言われて、停留所まで行ったら、前の奥さんとふたりでいると思ったのに、いづみさんひとりで待ってたんだ。

 その頃、俺は京浜東北線の山手駅の近くにアパートを借りていて、そこにふたりで行ったんだ。いづみさんはちょっとラリっていたよ。俺は珍しく真面目だったんだけどね。

 その時、俺の部屋には親戚がたまたま泊まっていたんだけど、その日はいづみさんも泊まっていったんだ。それでね、次の日の朝ごはんにフレンチトーストを作ってあげた。それが最初の出会いなんだ。たぶんママリンゴの頃で40年くらい前の話だよ。
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