彼からの5日遅れのラブレター
………ぅんっ?
スーツの男達に囲まれて、少し困ったように愛想笑いを交わしている女がいた。
そこら辺にいる女どもとはどこかオーラが違かった。
その女は、さっきショッピングモールで絡まれていた奴だった。
花柄で淡いピンク色シフォンのドレスを身にまとい、360度どこから、どう見ても綺麗だ……。
華奢だけど、出るとこは出て、顔も小さく、目は、クリクリとしたパッチリ二重、鼻も綺麗に整っていて、口は、厚くもなく、薄くもなく、プクッリとした少し紅く染まった唇。
そんな彼女を見たら、世の男達は、イチコロだろう。
俺は、彼女に見とれていると律がどこからか近づいてきて
「あの子、あの子!第2営業部の可愛い子ちゃん!!名前は〜、確かあずさちゃんだよ。歳は、多分お前とタメだよ。しっかし可愛いな〜。
けど、競争率高いだろうなぁ〜。」
「……なんでだ?」
「ん?だってここの会社のほとんどの男狙ってるぜ!」
「けど、ここの会社……年に1回しかこうゆう戯れる場ねぇーじゃん」
「ちっ、ちっ、ちっ。甘いな〜。人の噂は、すぐに広がる。しかもそれが、可愛い子なら得にな!」
自慢げに話してきた律。
どこかムカついた。
確かに、あれだけ可愛いと、噂もすぐに広がるだろうな。
「なに、なに?気になっちゃってる系?」
「………」
「図星かよ!まぁ、お前なら大丈夫だよ」
ニヤニヤ笑いながら、言ってきた律。
気持ち悪くて仕方ない。
「まぁ、がんばれよ!」
そう言いながら、またどこかに去っていった。
俺はまた、彼女の事を見ていたら、目がばったり合った。
俺に気づいたのか、彼女は、スーツの男どもを避け、俺に近づいてきた。