彼からの5日遅れのラブレター
車椅子をゆっくりと押し、病院の中庭に着いた。
ゆうは、イチョウの木を見ながら
「なぁ、あずさ。俺と結婚してくれないか?」
「へっ?」
「俺の最後のわがまま、聞いてくれないか?俺の最初で、最後の嫁になってくれないか?」
涙が溢れでた。
嬉し過ぎて涙が溢れてきた。
「ッ、私で、いいの?ゆうのお嫁さん……、私でいいの?」
「あずさがいい。あずさしか考えられない。」
「……喜んでっ、ゆう……、喜んでゆうのお嫁さんになりますっ」
ゆうは、車椅子から立ち上がり、私の目の前に立ち、優しく、けどどこか切ないキスを落とした。