恋愛ビギナー
「なー、伊吹ー」
「なに」
「お前の彼女、今日は一段とかわいいな?」
ちょっと冷やかし気味に言うこいつは、俺の親友の楓。
俺はこいつに柄でもなく、綾那について話している。
「・・・そんな目で綾那を見んなって」
「へーへー」
と、俺の反応を見て笑っている。
そして俺は綾那へと視線を移した。
・・・確かに、今日はいつにも増してかわいい気がする。
もしかして、化粧してる?
そんな食い入るような俺の視線にまったく気づかない綾那は、友達と楽しそうに話している。
綾那はただでさえかわいいんだから、化粧なんかしなくていいのに。
むしろ、俺的にはしてほしくない。
だって、そんなことしたらもっと他のやつらが綾那を見るでしょ?