執着王子と聖なる姫
「お前は俺のパートナーだ。何のためにデザインの勉強してきたんだよ」
「マナ…」
「モデルなんてな、あっと言う間に賞味期限が切れんだよ」
「ちょっと待った!麻理子は今でも十分綺麗だよ」
「言ってろ、マリー馬鹿」

抱き寄せた肩は、微かに震えていて。

それをフンッと鼻で笑うと、愛斗はゆっくりと視線を合わせてレベッカに言い聞かせるように言葉を紡いだ。

「お前を認めてるのは、何もMEIJIさんだけじゃない」
「マナ…」
「仲間だろ?遠慮すんな」

そっと左目に口づけると、レベッカは勢い良く愛斗に抱きついた。

「大好き!」
「知ってる」

そんな二人を見ながら「いいとこ持って行かれちゃったよ」と笑うメーシーに、晴人が立ち上がって歩み寄った。

「なぁ」
「ん?」
「今度はあの二人…とかないよな?」
「心配症だなぁ、王子は。大丈夫だよ。マナはセナちゃん一筋だから」
「まぁ、ならええんやけど」

どうも不安だ。と唸る晴人に、今度は愛斗が宣言する。

「ないっすよ。俺、それだったらちーちゃん選びますから」
「はっ!?千彩っ!?」
「マナ、王子に殺されるよ?」
「冗談っすよ」

ケラケラと声を上げて笑い合っていると、穏やかな時間が戻って来る。こうして仲間同士で過ごす時間を、愛斗はとても大切に思っていた。

「早くいい男見つけろ」
「そう上手くはいかないデース」
「さっさと結婚して、3年くらいで子供作れ。んで、うちの子と結婚させようぜ」
「What's!?」
「そしたらさ、皆家族になんだろ?ちーちゃんがそう言ってたんだよ」
「チサは相変わらずcuteデスネー」

千彩の思いは、至極単純なもので。


「皆が大好きだから、皆と家族になりたい」


歪みに歪んで成長した愛斗だけれど、千彩のそんな純粋な思いだけは真っ直ぐに受け取っていた。

「俺達は皆、仲間で家族だ。早くお前も入って来い」
「最善を尽くしマース」

互いに拳を握り、コツンと合わせる。


こうしてまた、いつでも騒がしい大家族に新しい物語が始まった。
< 227 / 227 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:6

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

Secret Lover's Night 【連載版】

総文字数/349,632

恋愛(純愛)386ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
敷き詰められたアスファルト ビルの間から見える狭い空 冷たい雨 大都会の真ん中で起こった小さな恋の奇跡 オトナ男子 ハル × わけあり少女 サナ 手を取り合った瞬間、二人は恋に落ちた。 28歳と17歳、互いの世界が徐々に変わってゆく。 ************************************** 2013/03/01 Secret Lover's Nighat【完全版】として プロローグ→コイイロ+サイドストーリー→エピローグを 大幅に加筆修正してupしています。 よろしければ、そちらもお楽しみください。
不誠実な恋

総文字数/35,949

恋愛(キケン・ダーク)66ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
とんでもない人に恋をした 自分勝手で 計算高くて とてもズルイ人 それでも 甘くて 優しくて 愛おしい人 身勝手な男 × 本妻 × 愛人達 手に入るようで入らない ただただ切なくて 救い様のない恋の行方 それでも私達は、この恋に全身全霊を注ぐ +++++++++++++++++++++++++++++ 都内某所のとある学校には、 「最低最悪、最強」として有名だった男子テニス部がある そのテニス部の元メンバー達が繰り広げる、身勝手な恋物語 最低な男達と、それをわかっていても恋に嵌る女達 ズルくて、繊細で、脆い 苦しくて、切なくて、逃げ出したい そんな想いばかりを纏めた短編集 会話よりも心理描写の方がはるかに多いものばかりです。 難しいのが嫌いな方にはオススメしません。
恋に堕ちた悪魔

総文字数/0

恋愛(純愛)0ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
キラリと光るシルバーフレーム オールバックに整えられた髪 闇色が潜む瞳 東の端に建つビルの屋上には、世にも美しい悪魔が下り立つ 極道男子 湊(みなと) × わけあり女子大生 美緒(みお) 西の街で起こった、小さな恋の奇跡 ただ二人には、決して恋に落ちてはいけない理由があった +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ 『Secret Lover's Night』から始まる恋物語 第三弾 運命の恋から30数年 恋物語は次世代を超えてそのまた次世代へ

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop