執着王子と聖なる姫
「妹がチビのくせに母と同じような服を着たがるので、殆ど丈を直さないといけないんです。ついでに俺好みにアレンジしてます。これはちょっとやり過ぎましたけど。一から作った方が簡単だったと思います」
「やろなぁ…俺やったら作るわ」
「手を加えてるうちに、あれもこれも…ってついついやっちゃったんです」
「なー、なー。愛斗が描いたデザイン画ってある?」
「あぁ、それなら俺の部屋にあります。大した物じゃないと思いますけど…見ますか?」
「見せて!見せて!」
このままここに居続ければ、良い具合に酔っぱらった大人達に引っ張り出されかねない。そろそろ自室に戻りたいのだ。
後はどうぞ勝手に盛り上がってくれ。と、ソファに腰を下ろしかけたセナの腕を引いた。
「え?」
「俺、ケイさんと上行くわ」
「セナも行きます」
同じく危険を察知したのか、セナは素直に立ち直して俺に手を引かれた。
「仲良しやなー、お前らは」
「まぁ…」
「俺も協力したるから、セナの服作ってみるか?」
「いいんですか?」
「セナもそっちの方が嬉しいやんなー?」
「はい!」
嬉しそうに笑う二人に挟まれ、俺だけはニヤリと違う種類の笑みを零す。
真っ白として育てられてきたセナを、内からも外からも自分色に染める。そこにとてつもない喜びを感じる俺は、セナに対してもやはりどこか歪んでいるのだろうと思う。
「やろなぁ…俺やったら作るわ」
「手を加えてるうちに、あれもこれも…ってついついやっちゃったんです」
「なー、なー。愛斗が描いたデザイン画ってある?」
「あぁ、それなら俺の部屋にあります。大した物じゃないと思いますけど…見ますか?」
「見せて!見せて!」
このままここに居続ければ、良い具合に酔っぱらった大人達に引っ張り出されかねない。そろそろ自室に戻りたいのだ。
後はどうぞ勝手に盛り上がってくれ。と、ソファに腰を下ろしかけたセナの腕を引いた。
「え?」
「俺、ケイさんと上行くわ」
「セナも行きます」
同じく危険を察知したのか、セナは素直に立ち直して俺に手を引かれた。
「仲良しやなー、お前らは」
「まぁ…」
「俺も協力したるから、セナの服作ってみるか?」
「いいんですか?」
「セナもそっちの方が嬉しいやんなー?」
「はい!」
嬉しそうに笑う二人に挟まれ、俺だけはニヤリと違う種類の笑みを零す。
真っ白として育てられてきたセナを、内からも外からも自分色に染める。そこにとてつもない喜びを感じる俺は、セナに対してもやはりどこか歪んでいるのだろうと思う。