COLORS~Clear~
家に帰って。
お風呂に入りながら、霧島クンの言葉を思い出して。

また、苦笑いが浮かんだ。

一瞬でもドキッとするなんて。
私にもまだ、そんな可愛らしい部分が、


―残ってたんだ…


って。

普通に考えて。
10歳も年上の私に、まだ高校生の霧島クンが特別な感情を抱くのは考えにくい。

あの“特別”は、沙奈の姉だから。
そういう意味なんだろう。

でも。
そういう言葉に反応してしまう。
そういう部分はもう、私にはないと思ってた。

もう、そんな歳でもないだろうって。

ちょっと。
気恥ずかしい。

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