COLORS~Clear~
「透子、さん…」


背中から抱きしめていたはずなのに。
すぐ目の前にある、私の顔に。


「もういい…」
「えっ?」
「もういいから。そんなに、自分を追いつめないで…」


霧島クンは茫然としていて。


「もう。それ以上は…」


思わず。
重ねてしまった、唇…。


「透子さん……」


霧島クンは。
涙が伝う、私の頬に手を伸ばし、涙ごと、頬を包み込むと。


「───────」


その唇を、そっと、私に重ねた……。


















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