COLORS~Clear~
急に自分に振られて、霧島クンは驚いたのか。

一瞬、ハッとしたような表情を浮かべて。


「いえ…。別に、俺は…」


戸惑いを含んだような、苦笑いを見せた。

ほんとに優しくて。
まっすぐな視線…。


「大丈夫。沙奈の点てるお茶は、ほんとに優しいから」


私はまた、すぐ沙奈に視線を移したけど。

今日だけじゃない。

この間も。
彼の視線は、私にまっすぐだった。

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