紅蓮の斜陽



緋次は生きながらえた。


自分が無価値と仰るなら他人に価値はあるだろうかと、右手に刀を持ち、同じ人型を切り捨てた。


…見ろ、所詮、ひとなんてみんな無価値だ。


無価値で無意味な命なのだ。



人から愛されることが人の生きる価値か。


たかが金貨で売り買いされるが人の生きる価値か。





…一体何を目指す。


何処を目指す。


何が価値たりどれが意味か。




そして


どうして俺には「それ」がない。




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