カローレアの金
「ジル‼お前いつから…」

「最初からいたよ‼ねえ、アン姉ちゃん助けようよ‼助けたい‼」

ジルは大男達をかきわけてジャンの目の前にまで出た。


「助けたい…だあ?」

ジャンが睨みを利かせる。
しかしジルはひるむことなく、まっすぐジャンを見ていた。


「…アンの奴のことだ。きっとヘマをして城にいるんだろう。女王が何でかアンのことを気にいった。だからアンの奴は生きてる。
けどな、考えてみろ、ジル。

俺達の職業柄、衛兵たちと戦うこともある。そんな時にヘマしてみろ。死ぬんだぞ」

「………」

「戦いのときに、ヘマした奴を助ける余裕があると思うか?答えはノーだ。俺は、ヘマした奴は助けない。自業自得だ、どうにかしたいんだったら自分でどうにかするべきだ」

「…それでも、僕はアン姉ちゃんを助けたいよ…‼」


ジルは唇を固く結んだ。

ジャンはそんなジルの様子を冷めた目で見下ろす。


「お父さんだって…本当は助けたいんじゃないの?アン姉ちゃんの事」

「はあ?何言ってるんだよ」

「…だってさっきから、答えは決まってるみたいだもん」


ジャンは少し目を見開き、次の瞬間には口元に笑みを浮かべていた。


「はー…まさかジルに諭されるとはな」

「お頭、助けに行こうぜ。アンの奴を」

「当たり前だ。行くさ。あいつはレベペの後継者だし大事な戦力だし……いや、その前に大切な家族だ。俺の娘だ」

そう言うジャンの目は真剣で、闘志が静かに燃えていた。


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