甘い誓いのくちづけを
どう説明しようかと悩んでいると、あたしの目の前で未だに討論を続けていた子ども達の向こうで、先生がパンパンと両手を叩いた。


「ほらほら、あんまり瑠花ちゃんをからかわないの!それに、今日は節分の写真や鬼のお面を見せるんでしょう?早くしないと、瑠花ちゃん帰っちゃうわよ?」


「あっ、そうだった!」


「先生、写真どこ〜?」


「ぼくが作ったお面は〜?」


「先生、早く写真出して!」


「はいはい」


正に、鶴の一声。


先生の言葉で、あたしを囲んでいた子ども達は散り散りになった。


「助かりました」


「今度、ゆっくり聞かせて貰うわよ?」


悪戯な笑みを浮かべた先生に、あたしは誤魔化すように曖昧な笑みを返した。


< 160 / 600 >

この作品をシェア

pagetop