甘い誓いのくちづけを
思い付く限りの質問を失礼にならない程度に訊こうと決めた時、英二さんが調理場から出て来た。


「はい、お待たせ」


「ありがとうございます」


優しい笑顔とともに目の前に置かれたのは、和を感じさせる色とりどりの料理。


お店の雰囲気や英二さんへの先入観からてっきり洋食が出て来るのかと思っていたから、白いプレートに乗った料理を見て一瞬だけ驚いたけど…


盛り付けられた料理は、そんな気持ちをすぐに忘れてしまうくらい綺麗だった。


「店がロッジ風だし俺がこんな感じだから、初めてのお客さんにはいつもビックリされるんだけど、俺は和食専門でね」


英二さんはあたしの気持ちを見透かすように笑った後、瞳を緩めたまま「冷めないうちにどうぞ」と付け足した。


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