甘い誓いのくちづけを

「……うん、別にいいんだけどね。ただ、英二って本当にいい奴だけどとてつもなく手が早いから、ちょっと心配になっただけなんだ」


すっかりいつもの口調に戻った理人さんの笑みが、どこか自嘲気味にも見える。


「まぁいくら英二でも、俺の知り合いにまでそんな事しないとは思うけど……」


そう付け足した彼にさっきまでの雰囲気は無くて、あたしに車に乗るように促して来た。


ヤキモチなら嬉しいのに、なんて思うのは甘さを孕んだ時間を期待している証。


もちろん、そんなはずは無いとは思っているけど…。


「少し、ドライブでもしようか」


「はい」


図々しい事を考えていた自分に呆れながらも、疑問形に近い形で言った理人さんに大きく頷いた。