甘い誓いのくちづけを
とても幸せそうな笑顔と、まるで愛おしむような眼差し。


真っ昼間の公園でネクタイを着けただけでも充分恥ずかしくて、息が出来なくなりそうだったのに…


ずっとそんな表情で見られていたのかと思うと、呼吸どころか心臓も止まってしまうんじゃないかと思った。


「ありがとう」


左の耳元に落とされた声に、体がビクリと強張る。


咄嗟に左耳を隠すように抑えると、理人さんが喉の奥で楽しげに笑った。


「なっ……!?」


かっ、からかわれてるっ……!


きっと、顔は真っ赤になっているだろう。


だけど、平静を装う余裕なんて無い。


「3ヶ月、か……」


パニックになっているあたしを余所に、理人さんがあたしを見つめながら意味深に呟いた。


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