甘い誓いのくちづけを

“３ヶ月”という言葉から連想したのは、理人さんと出会ってからの期間。


それが文博の事よりも先に頭に浮かんだのは、今の自分(ｱﾀｼ)にとっては理人さんとの事の方がずっと重要だからだと言えるだろう。


例え、文博に刻まれた傷が何かのキッカケで強く痛む事があっても、こうして前を向けるようになったのも事実。


彼をあんなにも想っていた過去(ﾄｷ)の事を思い出せば、その心の変化にほんの少しだけ切なくもなる。


それはきっと、確かに好きだった元恋人(ﾋﾄ)への想いが風化していく事への僅かな戸惑いと、風化させてしまい掛けている自分への戸惑い。


同じ言葉なのに全く違う意味を持つその感情は、人の心の複雑な部分を色濃く表している気がした。