甘い誓いのくちづけを

ボーッとしていたあたしは、ハッとして理人さんを見上げたけど…


あたしが自分の世界に浸っていたのと同じように、彼もずっと考え事をしていたみたい。


程なくして目が合うと、理人さんは何かを考えるように細めていた瞳をいつものように緩め、フワリと微笑んだ。


淡い色をしたような綺麗な笑みに、胸の奥が甘く締め付けられる。


それは、少しだけ苦しいけど心地好い。


「瑠花ちゃん」


「はい」


そんな感覚を抱きながらも、いつの間にかさっきまでよりも落ち着きを取り戻していたお陰で、至って平静に返事が出来た。


だけど…


「そろそろ、君を本気で口説く事にするよ」


続けて告げられた言葉に、取り戻した平静を一瞬で失ってしまった。