甘い誓いのくちづけを

「ん……」


優しい温もりに包まれている事を夢現に感じて、まだ微睡(ﾏﾄﾞﾛ)みの中にいながらもゆっくりと瞼を開ける。


すると、ぼんやりとしている視界に入って来たのは、意識がはっきりしない思考でも認識出来てしまうくらい綺麗な顔。


「おはよう」


朝独特の、ほんの少しだけ掠れた声。


それが耳に届いた直後、再び閉じ掛けていた目を見開いて固まってしまった。


何で……？


二人で占領しても余裕がありそうなベッドの中、ピッタリとくっ付いているお互いの体。


状況を飲み込めずに瞬きを繰り返していると、理人さんがフワリと微笑んだ。


「まだ、寝ぼけてる？」


彼はクスリと笑って、あたしの額にそっと唇を落とした。