甘い誓いのくちづけを
「へ……?」


自分に向けられた言葉の意味を理解する前にベッドに縫い付けられ、そのままあっという間に唇を塞がれた。


忘れ掛けていた情欲が、徐々に蘇って来る。


次第に激しさを増すキスに酔い痴れていると、いつの間にかボタンが外されていたシャツの胸元から、理人さんの手が滑り込んで来た。


「……っ!」


流れるような動作に驚きながらも体を跳ね上げるあたしに、満足げな笑みが落とされる。


「明日は休みだし、朝まで意識を飛ばさないように頑張ってね?」


極上の笑みで紡がれた言葉は、その綺麗な表情とはあまりにも不釣り合いで、とてつもなく身の危険を感じる。


その不安と緊張で硬直したあたしを余所に、理人さんは心底楽しそうに笑った。


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