甘い誓いのくちづけを
遊具を購入する為にどれくらいの費用が掛かるのかなんて知らないけど、普通のOLに何とか出来る訳が無いのは重々わかっている。


だけど…


それでも、ブランコが使えない事で悲しんでいる子ども達を見て、ついそんな図々しい事を考えてしまったのだ。


「瑠花は、いつも一生懸命だね」


「え?」


小首を傾げると、理人さんが優しく微笑んだ。


「子ども達の事をすごく大切に思ってるし、子ども達の為に何かしたいって気持ちがすごく伝わって来る」


「でも……気持ちだけじゃ……」


「瑠花のその気持ちで笑顔になってる子は、きっとたくさんいるよ」


気持ちだけではどうにもならないと言おうとしたあたしの言葉を、理人さんは柔らかい笑みで遮った。


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