甘い誓いのくちづけを
総務部がある、フロアの一角。


いつもと何も変わらないそこで、がむしゃらに仕事を熟していく。


そんな状態が3日も続いた頃、榊原課長から思ってもみない言葉が飛んで来た。


「荻原、そろそろ休憩に入ったらどうだ?」


他のフロアから戻って来た課長は、あたしのデスクの前で足を止めた。


「平気です」


「適度に休憩を入れないと、仕事の効率が落ちるぞ」


「いえ、本当に……」


「今朝頼んだ仕事は夕方までに終わらせてくれればいいから、この辺りで一度休憩を入れておけ」


「……じゃあ、これが終わったら入れます」


「あぁ」


榊原課長は少しだけ不満げな顔をしながらも小さく頷き、大量の資料ファイルを積み上げた自身のデスクに戻った。


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