甘い誓いのくちづけを
「初対面の他人の結婚話に突然口を挟むなんて、不躾にも程があるだろ?」


「そんな事っ……!」


慌てて首を横に振ると、理人さんが目を見開いた。


あたしもまた、自分自身から自然とそんな言葉が飛び出した事に驚く。


ただ、理人さんのお陰で踏ん切りが付いたのは、紛れも無い事実。


初対面の人が取るとは思えない彼の行動には、とても驚かされたけど…


それでも、それを嫌だとは思わなかったから…。


「でも……」


理人さんは、戸惑いのせいで口を噤んだあたしを見ながら再び口を開き、思わず彼を見つめ返したあたしの瞳を真っ直ぐ見据えた。


そして…


「放っておけなかったんだ」


はっきりとそう言った後、あたしの左頬にそっと触れた。


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