甘い誓いのくちづけを
英二さんの答えに、頭の中を混乱させられてしまったけど…


あたしと話したかった事、それから青空園の理事長と知り合いなのだという事だけは、とりあえずわかった。


「理人の奴、すっかり覇気がなくなってるんだよね……」


そんな時に落とされた名前に、体がビクリと強張る。


「我ながらお節介だとは思うんだけど、あまりにも不器用過ぎて放っておけないって言うか……」


そんなあたしを余所に、英二さんは小さなため息をついた。


「理人にバレたら怒られそうだけど、ウジウジしてるあいつを見るのももううんざりなんだ」


悪戯っぽく笑った彼の意図は、よくわからない。


ただ、理人さんの為にあたしに会いに来たのだという事には、さすがに気付いた。


< 413 / 600 >

この作品をシェア

pagetop