甘い誓いのくちづけを
「話が少し前後するかもしれないんだけど、聞いてくれる?」


英二さんは優しい笑顔を見せながら、運ばれて来たコーヒーにミルクと砂糖をたっぷりと入れた。


その量にほんの少しだけ驚かされながらも、無言のままコクリと頷く。


「あぁ、そうだ」


すると、英二さんが何かを思い出すような表情を見せた後で、微苦笑を零した。


「間宮に会ったんだって?」


胸の奥がズキンと痛んだけど、それを隠しながら口を開いた。


「はい……」


「……誤解してそうだから先に言っておくけど、理人と間宮は君が思ってるような関係じゃないよ」


小さく答えたあたしの表情から胸の痛みを読み取ったのか、英二さんがどこか困ったような笑みを浮かべた。


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