甘い誓いのくちづけを
―――――――…



青空園の前に着くと、英二さんがニッコリと笑った。


「見て」


指差された方向に視線を向けたあたしは、この間まで壊れていたブランコが新しい物になっている事に気付いたけど…


「……ブランコ、ですか?」


そこに何の意味があるのかがわからなくて、小首を傾げてしまった。


「俺の知る限り、理人はすごく不器用だ。でも、君もあいつに負けないくらい不器用だと思うよ」


確かに自分が不器用だとは思うけど、その事とブランコに何の関係があるのかが全く見出(ミイダ)せない。


「今の君達は、あのブランコみたいにすれ違ってるだけだよ」


英二さんは、小さくユラユラと交互に揺れているブランコを見ながら、どこか困ったように微笑んだ。


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