甘い誓いのくちづけを
消化し切れない疑問をたくさん残したまま、英二さんを追うようにしてカフェを出た。


それから財布を出すと、彼に笑顔で制されてしまって…


「すみません……。ご馳走様です」


あたしは、戸惑いながらもお礼を告げた。


「ううん。それより、俺も一緒に行ってもいい?」


「え?」


「青空園。中途半端にしか話してあげられないお詫びに、ヒントとアドバイスをあげるよ」


それが何なのかも、理人さんの事も英二さんの意図もわからないままだったけど…


あたしの返事を待たずに歩き出した英二さんの後を、とにかく追う事しか出来なかった。


相変わらず晴れた空は、突き抜けるように高い。


その清々しさとは裏腹に、あたしの胸の中はモヤモヤとしていた――…。


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