甘い誓いのくちづけを
「あの……もしかして、理人さんのお母様も……」


「あぁ、青空園で理人の父親に会ってるなら、母親にも会った事があると思うよ。あの二人ってすごく仲が良くてさ、プライベートは大体いつも一緒にいるから」


「あたし、てっきりボランティアで来られているご夫婦かと……」


「まぁ、普通はそう思うだろうね。それに、あながち間違っていないし」


英二さんがあまりにもあっけらかんと話すから、あたしも開き直って笑うしか無いのかもしれない。


頭の中がパンクしそうになっていた矢先、ステージ上に理人さんが現れた。


「では、私の息子であり後継者でもある理人からも、ご挨拶をさせて頂きます」


その言葉の後でスタンドマイクの前に立った彼が、真っ直ぐ前を見据えた。


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