甘い誓いのくちづけを
あたしは、何て幸せ者なんだろう……


赤の他人から見れば、自惚れていると笑われるかもしれない。


だけど…


こんなにもたくさんの温もりと優しさに囲まれている事がわかった今は、例え自意識過剰だと言われてもそう思わずにはいられなかった。


嬉しいのに胸の奥が熱くて、瞳には涙が溢れ出す。


「もちろん、これからは私達ともお付き合いして頂けたら嬉しいわ」


優しい声音で紡がれた言葉に笑顔で頷きたくて、何とか涙を堪えて小さく微笑んだ。


「あたしの方こそ……よろしくお願いします」


感謝の気持ちでいっぱいになった心からそう言って頭を下げると、理人さんと彼の両親がとても嬉しそうな笑顔を見せ、それに釣られるように英二さん達も優しい笑みを浮かべた――…。


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