甘い誓いのくちづけを
夢に似たような記憶を掘り起こした今もまだ、まるで夢の中にいるみたい。


「本当、夢みたい……」


呟いた声が響くこの瞬間が現実なのだと言われても、やっぱりしっくり来ないだろう。


だけど…


こんな時間は、もう終わり。


一瞬だけ脳裏を過ぎった理人さんの笑顔に、また会いたいなんて思ってしまったけど…


連絡先もわからない彼と会える事はきっともう無いし、仮に会えたからと言っても何かがある訳でも無い。


ただ、もしまたどこかで理人さんに会える事があったら、人目も憚(ハバカ)らずに泣いてしまった事を謝りたい。


そして…


何よりも、そんな自分(アタシ)にずっと付き合ってくれた事に、心からお礼を伝えたいと思う。


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