甘い誓いのくちづけを
「失礼します」
ドアを開けると、本棚を整理していた理事長が瞳を細めた。
「こんにちは」
「こんにちは。珍しいわね、あなたがボランティアじゃない日に来てくれるなんて」
理事長は手にしていた本を棚に入れ、怪訝な表情をしながらあたしを見た。
「この間来た時に、恵ちゃんにせがまれちゃって……。すみません、特別扱いがダメだって事はわかってるんですけど……」
「本来なら注意しなきゃいけないんだけど、今回だけは目を瞑っておくわ」
何か隠されているような言葉に小首を傾げると、理事長はほんの少しだけ眉を寄せながら微笑んだ。
「恵ちゃんに、里親が見付かったのよ。次に瑠花ちゃんが来てくれる時には、きっと恵ちゃんには会えなかったと思うから……」
ドアを開けると、本棚を整理していた理事長が瞳を細めた。
「こんにちは」
「こんにちは。珍しいわね、あなたがボランティアじゃない日に来てくれるなんて」
理事長は手にしていた本を棚に入れ、怪訝な表情をしながらあたしを見た。
「この間来た時に、恵ちゃんにせがまれちゃって……。すみません、特別扱いがダメだって事はわかってるんですけど……」
「本来なら注意しなきゃいけないんだけど、今回だけは目を瞑っておくわ」
何か隠されているような言葉に小首を傾げると、理事長はほんの少しだけ眉を寄せながら微笑んだ。
「恵ちゃんに、里親が見付かったのよ。次に瑠花ちゃんが来てくれる時には、きっと恵ちゃんには会えなかったと思うから……」