甘い誓いのくちづけを
再び笑顔で迎えてくれた子ども達と、いつものように絵本を読んだりトランプをして遊んだ。


理人さんとの待ち合わせの時間があるから、余裕を持って施設を後にするつもりだったけど…


帰ろうとする度に恵ちゃんに引き止められてしまって、どうしても腰を上げる事が出来なかった。


「めぐね、優しいパパとママが出来る事は嬉しいの」


「うん」


「でもね……皆や先生と離れる事も、瑠花ちゃんと会えなくなるのも寂しいの……。それに、新しい学校に行ってもお友達出来るかな……」


まだ小学生の恵ちゃんが抱えている気持ちは、あたしには計り知れない。


だからこそ、その寂しさや不安を全て忘れてしまえる程、幸せになって欲しいと思った――。


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