やせっぽちの愛 ~慟哭!~

(六)君に首ったけ

tomko!

君は、ホントにステキな女性だ。
僕はもう君に首ったけだ、夢中だよ。

何時だったろうか? 
時計を見れば時間が分かるのに、お互い見ることはなかったね。

ひと晩中でも、君と一緒に居たかった。
でもそんな訳にも……。

路面電車の停留所にあったベンチに腰掛けて、僕たちは電車を待ってたね。
車一台通らないなんて、よほど遅かったんだろうか?

無口になりました、二人とも。
別れの時間が近付いてきたことを感じたんだね。

次第に口が重くなりました。
そんな静寂の中でも、僕は幸せでした。

幸福感に浸りきっていました。
君もそうだよね、言葉なんかいらなかったよね。

神様の心遣いかな? タクシーが通りました。
一旦通り過ぎた後、バックしてきた。

「電車は、もうないよ。
迎えの車が来るのかな?」

助かったような、余計なお世話のような。
それが別れの時間でした。

大変です、ホントに
。ホテルに帰り着いたら、十一時近くでした。
同部屋のクラスメートが、心配げにロビーで待っててくれました。

フロントに頼んでくれてて、先生にはバレずに済みました。
でも点呼時が、一番大変だったようです。

「風邪気味で、寝ています。」
って、誤魔化してくれてました。
彼らには、迷惑をかけました。
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