金持ち女VS貧乏男
『〝スイマセン〟』

午後2時。そう言って店に入ってきたのはチーフの和美。
33歳バツイチ子持ち。

店のオープン当初から私を支え続けてきてくれた言わば私の右腕的存在。

子供がまだ4歳と小さいため、熱を出した、参観日だ、と言う時には融通を利かせてあげている。

『何もいいよ和美』

私がそう言うと和美は
『急いで支度します!』
と、スタッフルームへ駆け込んで行った。


本当和美は元気だ。


子供が昨日から熱を出し夜中に夜間救急病院に連れて行き、朝、行きつけの小児科で見てもらい、実家に子供を預けて出勤。

華奢な体の、どこからあのパワーが出てくるのか。

女は弱し、されど母は強し…か。

私も見習わなくちゃ!
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