今さらなのよ!
すると、かすみはバッグから財布をとりだし、隆祐の請求書を見てお金をテーブルの上に置くと、
「2人っきりで話したいから・・・」
そう言って隆祐の手をつかむとその場から2人は姿を消した。
隆祐が目を見開いてまわりをながめるその世界は、まるでクリスタルの中のような透明な世界で、すぐ隣にかすみが隆祐の目を見つめていた。
「かすみちゃん・・・これって?」
「結界みたいなもんかな。
私ね・・・超能力っていうか特殊能力があるの。
力持ちもそうだし、テレポートもね。
でも・・・こういうのってどこかでバレてしまうとマスコミの餌食になっちゃうでしょう。
だから・・・。」
「そ、そりゃそうだね。俺のせいで、力を使わせてしまったんだね。
申し訳ない・・・。」
「そんなに謝らないで。
人命救助は私の意思でしたことだもん。
でもね・・・マスコミに追いかけられるより怖いことがあるの。」