今さらなのよ!
かすみはこのところ幾度となく隆祐を呼び続けていたが、あいかわらず頭に響く返事はもどってこなかった。
(どうして?どうして隆祐さんは私の呼びかけに応えてくれないの?)
そんなとき、浅葱がかすみと話しているところを隆一が見つけ、かすみの手を掴んですぐに化学準備室へ入った。
「北岡先生にまたセクハラされたのかい?」
「セクハラなんてべつにされていません。」
「じゃ、何の話をしていた?
僕の見ている限り、2人でいて楽しそうにはとても見えないんだが・・・。
べつに楽しくない会話なら無理に聞き出そうとはしないけど、北岡浅葱という男が他の生徒には個別で会話などぜんぜんしない男なので不思議でね。
君だけが北岡にとって特別な女性というわけなのかな?」
「いえ、ぜんぜんそんなこと・・・。
ただ、北岡先生は私に嫌味を言って楽しんでいるところはありますけど・・・私がいじめられっ子で楽しいのかも。」
「いじめられてる・・・?それはいけないな。
僕は担任として、それは許すわけにはいかないし、男として腹がたつ。」