ヒ-ロ-なんていらない
誰もいなくなった生徒会室に、

紬君の声だけが響く。



「謝りたかったんだ。考えるだけでも恥ずかしくてたまらない。  


 健一さんには、お世話になって、


 生徒会も自分から志願して手伝わせてもらってたんだ。


 去年選挙で選ばれたから。今は、正式な役員だけどね。


 さすが健一さんの妹だ。首位入学なんだって?素晴らしいよ。


 ほのかちゃんあのこと許してくれるかい。


 握手をしてくれると嬉しいんだけど。」


毒気を抜かれるとはこのことを言うんだ、


すっかり変わってしまった紬君。


でも許せることなんだろうか、


否、あれはそんな簡単に許せるものではない。


あたしが平静でいられるのは、


お兄ちゃんと宝君があたしを守り続けてくれたからだ。


あたしは幸せだったけど。

あの時あんなことがなかったら。

お兄ちゃんや、宝君は、


中学校でも、高校でも部活に入ったり友だちと遊んだり


もっと楽しい学校生活を送っていたはずなんだ。






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