千尋くん、千尋くん







「も、もう少し簡潔に……」





「いいよ。あるみは別に分からなくても」





「えっ、気になる……!」





「そのうち分かるんじゃない?」





「い、いじわる言わないでよ……!」







気のせいかもしれないけど。




あたしをからかいながら無邪気に笑う瑞穂くんの笑顔は、さっきよりもすごく可愛く見えた。








……だってあたしたちはまだ子供だから。





今はただ、その無邪気な笑顔が一番大切なものなんだと、あたしは思う。





年下の小悪魔瑞穂くんは、やっぱり笑顔が一番素敵だ。






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