千尋くん、千尋くん







「もう……」




仕方なく瑞穂くんを振り向かせるのはあきらめて、ベンチの背もたれに思いきり寄りかかる。



ぐりんと首を上に向けて空を見上げる。





天気はいいはずなのに、アミューズメント施設のたくさんの照明がまぶしくて、星は見えなかった。









「星……見たいなぁ……」







そして、









千尋くんに、会いたい……。









その言葉は、声にならないままため息となって吐き出された。






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