千尋くん、千尋くん








「何も話さなくていいよ」




「ヒ、メちゃん……」




「大丈夫。そばにいるから。今日はお菓子食べて、ただ一緒にいよ」




「………っ」





嬉しいのか、感動して泣いてるのか。



自分でも分からない。






ただ、今出ている涙は、昨日とは違う温かい涙だった。











「明日は学校行こうね」




優しくそう言うヒメちゃんに、あたしは涙を止めることができないまま、ひたすら頷いた。






あぁ、こういう時にいえばいいんだ。



初めてそう思う。















"ヒメちゃんが親友で、良かった"








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