千尋くん、千尋くん




なんとか終わってからも、観客から感動した。とか、切なかった。などの感想はなく。



ほとんどが、面白かった。や、いいコントだったなどのお笑い意見ばかりだった。



すっごく緊張したし、怖かったけど。




それはそれで楽しかったし、結構好評だったらしく、違う意味であたしたちの文化祭は大成功だった。




気にはしてないつもりだったけど、ヒメちゃんにはお見通しだったらしく、劇が終わってからこっそり耳打ちされた。



「宇治橋くん、見に来てたよ」




その言葉になるべく動揺しないようにそっかと頷いて、あとは彼のことを考えずに文化祭を楽しもうと舞台を後にした。






もし、千尋くんと回れてたら……もっと……。


……ううん、考えちゃダメだ。





初めての文化祭は、楽しかったけど、ちょっぴり無理をした。







< 354 / 397 >

この作品をシェア

pagetop