レンタル彼氏 Ⅰ【完結】
これは私が優しい人がいいって言ったからか。
さっきの電話の言葉も。
本心ではないのか。
「…………」
「どーした?」
突然、黙りこくった私の顔を伊織が覗きこんだ。
その瞳は一切笑ってない。
こんなに口が弧を描いているのに。
なのに、全く笑ってない。
浮かれてて、全然気付かなかった。
いつもなら気付くのに。
ねえ、伊織。
レンタル彼氏って、こんなに苦しいものなの?
「なっ、なんでもない」
私は伊織から目を離しながら返事した。
伊織は納得してない顔だったけど、すぐに次の会話を振ってくれた。
「俺、体育だけは常に5だったなあ」
「他は?」
「ふはっ、オールあひる」
「あひる…?」
「…………オール2」
「えっ、まじで?」
「まじだよ、まじ。特に数学苦手だわ」
「なんか、納得」
「え?ちょいちょい待って。俺頭悪そー?」
少しという意味合いで、私は手でジェスチャーした。
さっきの電話の言葉も。
本心ではないのか。
「…………」
「どーした?」
突然、黙りこくった私の顔を伊織が覗きこんだ。
その瞳は一切笑ってない。
こんなに口が弧を描いているのに。
なのに、全く笑ってない。
浮かれてて、全然気付かなかった。
いつもなら気付くのに。
ねえ、伊織。
レンタル彼氏って、こんなに苦しいものなの?
「なっ、なんでもない」
私は伊織から目を離しながら返事した。
伊織は納得してない顔だったけど、すぐに次の会話を振ってくれた。
「俺、体育だけは常に5だったなあ」
「他は?」
「ふはっ、オールあひる」
「あひる…?」
「…………オール2」
「えっ、まじで?」
「まじだよ、まじ。特に数学苦手だわ」
「なんか、納得」
「え?ちょいちょい待って。俺頭悪そー?」
少しという意味合いで、私は手でジェスチャーした。