セレブ少女りりか
めりの一歩
プリンスとやらを確認したりりかは教室へ向かった。
  ガラッ
りりかが教室に入ったとき、
「りりかちゃ〜ん!」
「・・・め、めり!?」
現れたのは幼なじみの雪本めり。
彼女はおしとやかで優しくとっても可愛い。
「昨日いなかったよね?」
「そうなの。風邪引いてて・・・」
「もう大丈夫なの?」
「うん。すっかり元気だよ!」
めりと久しぶりの再会をはたしたりりかだった。




「めりってあのプリンスって人たち知ってる?」
「うん!知ってるよ。」
「今日の朝あの人達見たんだけど、すごい人気があるのね。」
「だってかっこいいもん!」
「めりもあの人達のことカッコイイと思うの?」
「うん!」
め、めりってこんな性格だったけ?
「そ、そうなんだ‥‥」
「りりかちゃんもそう思ったでしょう?」
「別に‥」
なんとも思わなかった‥‥
「もっと知ったらわかるよ! 」
「そうかな?」
「そうだよ!」
めりもあの人達のことカッコイイと思うのね‥
どこがいいのかまったくわからないわ。

りりかとめりがこんな話をしていると‥‥
「あ、りりかさんじゃん」
目の前にプリンスの三人が現れた。
「さとる、この人ってもしかして花咲グループの娘?」
「ああ、」
さとるに話しかけた人は、不思議そうにりりかを見ていた。
「あなたお名前は?」
りりかはその人にたずねた。
「オレ?オレは、葉崎けんと。よろしく。」
「こちらこそ。で、そちらは?」
どこが遠くの方を見てボーーっとしている彼をたずねた。
「こいつは、光石ゆうじ。」
「ゆうじくん、よろしくね。」
「・・・・。」
りりかはゆうじに話しかけてみた。が、完璧な無視。
「あのー、聞いてますか?」
「・・・・。」
またまた無視。
「おーい。ゆうじくーん聞こえてますか?」
「こいつ、考えごとしてるとなにも耳に入らないから。オレたちが話しかけても無視だし。」
「そ、そうなんですか・・・」
「気になってたんだけど、さっきからあんたの後ろにいる人だれ?」
いつのまにめりはりりかの後ろに隠れていた。
「ちょっとめり!私の後ろでなにしてるの!?」
めりはちょっと戸惑っているのか、目がキョロキョロしていて、顔が赤く染まっていた。
「あ、あの・・・」
「ほらめり、名前ぐらい言ってあげれば。」
「ゆ、雪本めりです。」
「めりか。オレは葉崎けんと。よろしく!」
「よ、よろしくおねがいします・・・。」
めりはさっきよりも顔が赤く染まっていた。






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