【完結】ヒミツの極秘結婚【社長×秘書】
「え??」
「……前に会長にお会いした時、会長がおっしゃっていました。わたしの育て方が悪かったせいで、社長には随分苦労をかけさせてしまったと」
「……親父が??」
「はい。社長の幸せを誰よりも願っているのは、会長ですよ。……だから社長には早く結婚して、幸せになってほしいのだと思います」
「……幸せ、ね」
なんなんだ、俺の幸せって??
なにが俺にとって1番幸せなんだ??
……考えたって俺の頭じゃ分かるわけねぇな。
「社長、今からでも充分間に合います。だから社長にとっての幸せがなにかを、よく考えてみてください。……失礼します」
藤枝はそう言うと、社長室を出ていった。
イスにもたれ掛かって、頭をフルに回転させてみる。
「……俺の幸せ、ねぇ」
幸せとか言われてもなぁ。
そんなこと考えたこともなくてわからねぇな。
でも確かに俺は、もう33だ。普通なら結婚してもおかしくないはない。
だが女はキライだ。言われるがまま、結婚なんかしたくはないが……。
うーん、この状況はどうしたらいいんだ……。