【完結】ヒミツの極秘結婚【社長×秘書】


「んー。ここのビーフストロガノフは、うまい。いつ食べても最高だ」

「……おいしいです。このビーフストロガノフ」

「だろ??俺もこの店のビーフストロガノフ以外は食べられないんだ」

「お肉にしっかりと旨味があって、それなのに柔らかさがあり、コクもあって。……こんなにおいしい、ビーフストロガノフは初めてです」

「美優紀、お前の感想は主婦の感想だな」

そう言われてつい「えっ、そうでしょうか??それは失礼しました。感動してしまって……」と言った。
もうやだ、わたしったら……!

「……いや、そんなに喜んでもらえると想ってなかったから、俺も嬉しいよ。連れて来てよかったよ」

「はい。ありがとうございます」

「……それで、話って??」

「あっ、はい……」

食べることに夢中になってしまい、話すのを忘れていた。……話さないと、社長に。

「……話ってなんだ??」

「あの……。実は……」

「……美優紀??」

「実は会長から、わたしにこんな話がありまして……」

「会長から??」

「……はい。驚かないで、聞いてください」

そんなわたしを、社長は黙って見つめていた。
< 199 / 290 >

この作品をシェア

pagetop