【完結】ヒミツの極秘結婚【社長×秘書】
「秋一さん、食べましょう」
「……ああ。いただきます」
二人で朝ごはんを食べる。朝ごはんにいつも出てくる、美優紀が作るだし巻き玉子が、とても美味しい。
お出汁の香りが、心地よい。鼻に通るお出汁の香り、とてもいい。
「……どうですか??」
「ああ、美味しいよ」
「それはよかったです」
美優紀は優しく微笑んで、朝ごはんを黙々と食べ進めていた。 この時間は、俺達二人にとって、朝の始まりなのだ。
仕事が始まるまでの、夫婦にとっての貴重な時間。……幸せを噛みしめるのが、もったいないくらい。
「秋一さん、食器は洗っておきますので、シンクに置いておいてください」
「わかった」
朝ごはんを食べ終え、部屋へと戻る。
着替えようと思い、クローゼットからスーツを取り出す。
ふとベッドに視線がいく。 昨日の夜、俺たちはこのベッドの中で、熱く身体を重ね合ったんだよな……。
初めてからを重ね合った時の、ドキドキと胸の高鳴りは決して忘れない。 こうして抱き合って眠りについたことも、お互いの体温を肌で感じ合ったことも。
俺にとっては、美優紀との初めてだ。身体を重ね合い、お互いの体温に溶け合いながら、ふたりの距離を縮める。
そして愛していると何度も呟き、何度もキスを交わし、最後まで一緒に抱き合った。
この幸せを何度も続けたいと、何回思っただろう……。いかん、こんなことを考えている場合じゃない。