【完結】ヒミツの極秘結婚【社長×秘書】
俺はその後、資料などを作り、明日の打ち合わせに備えた。
ふと時計を見ると、時計の針が13時の5分前を表していた。
「もう、こんな時間か」
昼食をとっていなかった。なにか食べに行こう。
美優紀に声をかけようと思い、社長室を出ると……。
「あっ、社長」と美優紀が現れた。
「美優紀、お昼まだだろ??なにか食べに行かないか??」
と俺が言うと、美優紀は少し体調が悪そうにこう言った。
「あっ、いえ。……社長、すみません。わたしすこし体調が優れないので、本日は早退させて頂いてもよろしいでしょうか……??」と。
「体調悪いのか??大丈夫か??」
「はい。大したことはないと思うのですが……。念の為、帰ってゆっくり休みたいと思いまして……」
「そういうことなら、気をつけてな。あまりムリはしないようにな??」
「申し訳ありません……。では失礼致します」
「気をつけて帰るんだぞ」
「ありがとうございます」
美優紀が体調不良……。アイツ、大丈夫なのかな。
確かにここ最近、また一段と忙しくなってしまい、仕事に明け暮れる日々が続いていた。
いくら秘書とはいえ、ムリをさせ過ぎたかもしれないな。
美優紀の体調が優れないのを心配はしていたが、俺もやるべきことがあるため、その後の仕事は一人で片付けた。
美優紀がいない分、時間感覚がズレたりするが、なんとかギリギリで今日の分の仕事はこなすことができた。
「社長、お疲れ様です。お気をつけて」
仕事を終えて、車に乗り込み、美優紀が待つ家へと帰る。
その道のりが、なんだかいつもより長く感じた。